3/23(土)『下克上球児』
2018年夏の甲子園に初出場した三重県立白山高校。
白山高校は、いわゆる野球エリート校とは対照的なチーム。
10年連続県大会初戦敗退の弱小校。「リアル・ルーキーズ」のキャッチフレーズ……。そんな白山高校がなぜ甲子園に出場できたのか。
そこには、いくつものミラクルと信じられない物語が存在した。学校も野球部も地元も熱狂! ひと夏の青春ノンフィクション。
昨年夏の高校野球で話題になった三重県代表白山高校。10年連続で県大会を初戦敗退していた県立高校が2年で甲子園?!とTwitterでもよく見かけた。
その高校の本が出たとのことで買ってみた。
いやー、めちゃめちゃおもろかった。
タイトルにミラクルと書いてあるけど、ただミラクルにミラクルが重なった奇跡の物語というわけではない。ひたすら失敗を重ねて様々な出来事が起こる中、監督はじめ周りの大人たちがより強いチームを作るべく奮闘し、生徒たちがコンプレックスを抱えながらも伸び伸びと野球をしてるところに、野球の神様からのミラクルが少し加味されて甲子園に行く、というところ。
これがノンフィクションて本当?!?!と思ってしまう取材の幅広さと細やかさも良い。登場する部員たちと家族、監督はもちろん、監督さんが信頼する先輩方に地域の方、対戦チームの監督から選手まで、それぞれの人たちの思いがぎゅっと込められていて、良質な青春小説を読んでいるようだった。
世代としてはリアルルーキーズというより、野球版スクールウォーズという感想。
ちょっとやんちゃな男子たちは心優しいということをこの本で初めて知った。
高校野球好きな方におすすめの1冊。ちょうどセンバツも始まったしね。