まものブログ

日々の記録

11/26(月)晴れ時々曇り 可哀想という呪いの声かけ

「かわいそう」という言葉が大嫌いだ。

かわいそう、と言われた対象に薄い膜のように呪いをかけ、また救いもしない言葉だと思ってる。 

 

2歳間近の姪っ子が今日入院した。初日から牽 引が始まったよ、と器具で下半身を固定された写真が妹から送られてきて、想像以上にガッチリと固定されて寝るかわいいかわいい姪の姿に、一瞬言葉を失った。

そんな私の様子に夫がどないしたん?と聞いてきたので写真を見せると

夫「わーこんな風にするんや。かわいそうに。」

と言って、評価を爆下げした(私のね)。

かわいそう、と感じて素直に発した言葉だとはわかるけどさ…。かわいそうって言葉はそこで行き止まりになって何も生み出さないと思っている。

 

8ヶ月で早産したうちの子がNICUの保育器に入っていた頃は、かわいそうという言葉をそれは浴びせられた。

かわいそうかわいそうと主に60歳以上の当時団塊世代シニア層に言われ続けるのは、帝王切開から回復していない身体で早く産んでしまった罪悪感にさいなまれていたうら若きママ(わたくし)を呪うには効果的だった。うちの子かわいそうなんだな。かわいそうな子を産んでしまったんだな、と。

かわいそうに〜〜と浦沢直樹画の嘘くさいオバハンばりに眉毛を下げて言われたときに困ったのが、適切な返す言葉が見当たらないこと。

ありがとうございます、は違う。すみませんと言うべき相手でもない。そうでしょう?でもない。かわいそうに〜にはなんて返すのが正解なんだろう。

かわいそうにと言われ続けて当時返答に困り、遂にはかわいそうと私に投げかける人の傾向を分析するに至った。結論は、義理や偶然で私に会い早産したことに対してコメントが特に思いつかず「かわいそうに〜」と発してるのではということ。

私と子を気づかってくれようとしてる近しい人たちは、遠い親戚の相撲取りのような体格の兄さんが25年前に早くにお腹から出てきて、当時ちっさい体を保育器におさめていた話をしながら「赤ちゃんは元気に大きく育つから!」と言い、決まって私の身体と心を労ってくれた。

そういえば最初にうちの娘にかわいそうという言葉を吐いたのは、出産の次の日に私の個室を掃除しに入ってきたおばちゃんだった。机の上に置かれたちっさい猿みたいな子の写真を見て「まぁ〜かわいそうに。」と言われて、じんわりダメージをうけた。

 

かわいそう、は起こってしまった出来事・過去を後悔させる空気をまとっている。